- 金星を挙げるといくら給料が増えるのか知りたい…
- 給料が増えるって全く知らなかったので…
- 金星が多い力士を知りたい…
この様な疑問にお答えします。
- 金星で給料がいくら増えるのかが分かる
- 歴代で金星の獲得数の多い力士が分かる
まず最初に「相撲の金星」という言葉を初めて聞いた人のために簡単に金星の説明をします。知っている方は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。
■相撲の金星
金星とは平幕の力士が横綱に勝つことです。相撲の平幕とは横綱と三役(大関・関脇・小結)以外の力士のことです。
簡単に言うと番付でトップの横綱に番付で5番目以降の力士が勝つことです。番狂わせが起こったことになります。
ただし、勝った場合でも次の場合は金星にはなりません。
- 相手が不正を行った場合の反則勝ち
- 休場による不戦勝
つまり、実際に取組みで勝利しないと金星にはならないということです。
ここから金星を挙げた時の給料のアップについて解説します。
金星で給料(手当)が10円増える
給料(手当)の計算方法
金星を挙げると1勝につき力士褒賞金が10円増えます。10万円ではなく10円です。
「たったの10円?」と思うかも知れません。これにはちょっとしたカラクリがあります。
10円の増加というのは給料の額ではなく支給標準額が10円増えるということです。
実際に力士がもらえる金額は、10円を4,000倍したものです。つまり1場所につき4万円もらえるのです。
4万円増えるのは月給が増えるのではなく、月給とは別の毎場所支給される力士褒賞金の支給標準額が増加することになります。ボーナスが増えるような感じです。
この力士褒賞金は幕内にいる限りもらい続けることができます。もちろん金星を2つ挙げた場合は2倍の8万円になります。
実際にいくらぐらい給料が増えるの?
金星1つで1場所あたり40,000円増えます。
本場所は年6回あるので年間24万円になります。1年の金額をみると少ないように感じます。
もちろん24万円は大金です。ただ、一流のプロアスリートがもらえる金額としてちょっと微妙に思います。
この金星を挙げた時の報奨金のメリットは幕内にいる限るもらい続けることができるということだと思います。
若い時に金星を挙げるとかなりオイシイ
できる限り若い時に金星を挙げて、現役を長く続けると価値のある1勝になります。
例えば、20歳で金星。35歳引退なら15年間もらえる。かなり息の長い力士として考えてみました。
「6場所×15年×40,000円」で計算すると、360万円になります。
わずか1勝で360万円も貰えるのです。相撲は数秒で決着がつく事が多ので時給で考えるとすごいことになります。こう考えるとかなりお得だと感じます。
報奨金は増えるし、金星を挙げると三賞(特に殊勲賞)の選出対象に直結するのでチャンスが有れば金星は狙うべきです。
報奨金10円はかなりスゴイことだった
金星の力士褒賞金は10円です。力士褒賞金が加算されるケースの中ではかなり高額な方です。
主な力士褒賞金は、幕内優勝で30円、幕内全勝優勝で50円が加算されます。優勝の場合と比較してみると1勝で10円も加算される金星はかなりお得感があります。
ちなみに給与は銀行振込ですが、褒賞金はいまだに現金で支給されています。
力士褒賞金の豆知識
力士褒賞金には番付ごとに最低支給額が設定されています。
■力士褒賞金の最低支給標準額
- 横綱:150円
- 大関:100円
- 幕内:60円
- 十両:40円
本場所の取組の結果、勝ち越すと勝ち越し1点につき50銭が加算されます。
白鵬の力士褒賞金はすごかった
幕内優勝43回の白鵬の場合、力士褒賞金の支給標準額は2,000円を超えています。これは歴代最高額です。
仮に2,000円で計算してみます。4,000倍した額が毎場所支給されるので、800万円になります。
1年間に6場所あるので報奨金だけで年間に4,800万です。
これに月給282万円、懸賞1本につき力士がもらえる金額は約3万円が加わります。相撲協会からの支給だけで1億円は超えます。
金星の多い力士
金星獲得数の歴代1位は安芸乃島
■歴代金星獲得数
- 1位 安芸乃島 16個
- 2位 高見山、栃乃洋 12個
- 4位 土佐の海 11個
- 5位 北の洋、安念山、出羽錦、鶴ヶ嶺、巨砲 10個
ちなみに現役力士で金星を最も多く獲得している力士は逸ノ城の8個です。
安芸乃島の金星獲得数は16個なので1年間の金星による報奨金の獲得額は384万円になります。
報奨金だけでサラリーマンの年収ぐらいもらうことができます。これはすごい額です。
安芸乃島が初めて金星を挙げたのは1988年9月3日に横綱大乃国に勝った時です。この1勝で稼いだ報奨金の額も桁違いです。
2003年の5月場所で引退するまで88場所にわたり報奨金をもらい続けて合計で352万円です。(4万円×88場所)
おそらく取り組み時間は1分にも満たないでしょう。1勝で車が買えるって凄いですね。
金星が多いのはあまり自慢できないことなのかも
金星が多いことはあまり自慢できないことなのかも知れません。
金星が獲得できているということは、横綱に勝った時の番付が平幕だったということになります。
つまり「金星が多い力士=平幕の期間が長い力士」ということになります。
さきほどの金星獲得数が多い力士の最高位を調べてみると、1人も大関になっていませんでした。
上位3位までの力士の最高位は以下のとおりです。
- 安芸乃島 東関脇
- 高見山 東関脇
- 栃乃洋 東関脇
もちろん関脇になるものすごいことです。横綱と対戦しているので番付の上位にいることには間違いありません。
優勝争いのダークホース的な存在として場所を盛り上げているのは間違いありません。
ちょっと余談
金星から派生していろいろな表現をされることがあります。
大金星
明らかに実力の差があるだろうと思われていた横綱に勝った時には、大金星と表現されることもあります。
銀星
平幕が横綱に勝つことを金星と呼ぶことに対し、平幕が大関に勝つことを銀星と呼ぶ場合があります。
一部の相撲ファンが言っているだけで、正式な表現ではありません。
隠語としての金星
美人の女性のことを金星と言うらしいです。「昨日、飲み屋で会った子、金星だったよ~」って感じでしょうか。
金星に注目して相撲をみるといつもと違った角度から楽しめるかもしれません。