- 青色の柔道着がなぜ導入されたのか知りたい…
- 昔は白い柔道着しか無かった気がする…
- いつ頃から導入されたのか知りたい…
この様な疑問にお答えします。
- 青色の柔道着が導入された理由
- いつ頃から国際大会で着用されるようになったのか
青色の柔道着が導入された理由と時期
青色の柔道着が導入されたの理由
カラー柔道着が導入されたのは同じ色の柔道着だと選手を見分けること難しいからです。
同じ白い柔道着だと攻防が分かりづらいので、一方の選手の柔道着を色付き(青色)に変更する事になりました。
選手を見分けやすくなることで、柔道を会場やテレビ中継で見ている観客と審判にメリットがあります。
観客のメリット
試合会場やテレビで柔道の試合を見ていると一流の柔道家の攻防はすごく早いことに驚かされます。同じ色の柔道着だと技に入っても白と白が重なり合って区別がつきません。
技の攻防の際にどちらの選手が有利なのか分かることで応援しやすくなります。選手の区別がつきやすいことで会場も盛り上がります。
特に寝技の場合、会場で見ていると同じ色だと分からないので、カラー柔道着は見やすいです。
審判のメリット
同じ色の柔道着だと審判も判定を下す際にとっさに判断できない場合があります。近年、選手のレベルが上がり技のスピードが増しています。
一流の選手同士だと技の切り返しや自分が倒れながらでも投げを打つ場合もあります。その時に柔道着の色が違えば、選手の腕や足の位置が明確になり判定しやすくなる。
実際に誤審が多い時期があった
世界大会やオリンピックで誤審だと言われる様な判定が相次いだ時期がありました。
選手の攻防がレベルアップしている時期に審判のレベルが追いついていなかったのかもしれません。
選手たちからも判定に対する様々な意見が寄せられ、その結果、ビデオ判定が導入されることになりました。
ビデオ判定でも見分けは大変
ビデオで再生してスローで見ても選手の動きが早すぎると鮮明に映っていない場合もあります。
そんな時に柔道着の色が違うほうが分かりやすいので、ビデオ判定においても審判にはカラー柔道着のほうがメリットがあります。
ロサンゼルスオリンピック金メダリストの山下泰裕さんはカラー柔道着の導入に対して、「最初は嫌だなと思ったが、そのうち違和感はなくなった」とコメントしています。
青色柔道着の導入時期
世界的には1997年から青色の柔道着が導入されました。
1997年に国際柔道連盟(IJF)の総会でカラー柔道着の導入が決定されたからです。
国際柔道連盟(IJF)の決定では国際柔道連盟主催大会でのカラー柔道着着用の決定しましたが日本には独自の考えがありました。
当初、全日本柔道連盟は国際柔道連盟主催大会ではカラー柔道着を着用するが、他の大会では着用しない考えだったのです。
全日本柔道連盟は導入しない方針でした。
全日本柔道連盟としては、柔道着の色は、伝統的に白か生成色(オフホワイト)が当然だという考えが強くあったようです。
実際にカラー柔道着が世界大会で導入されたのは、1998年9月のワールドカップ国別団体対抗戦です。
全日本柔道連盟主催大会で初めてカラー柔道着が導入されたのは、国際大会で導入されてから5年後の2003年世界柔道選手権大会です。
日本発祥の柔道ですが、国際柔道連盟の意向や世間の流れには逆らえなかったようです。
世界で導入が決定してから、実際に日本が導入するまでには6年の月日を要しました。
- 1997年 国際柔道連盟(IJF)の総会でカラー柔道着の導入が決定
- 1998年9月 ワールドカップ国別団体対抗戦で導入開始
- 2003年 全日本柔道連盟主催大会で初めてカラー柔道着が導入
日本が2003年から導入してからかなりの年月が経過していますが、未だに「柔道着は白が良い」という声が多いようです。
カラー柔道着の導入には賛否両論ある
すでに世界大会で導入されてから20年以上経ちますが、今でもカラー柔道着に関しては賛否があります。
反対派(白派)の意見
カラー柔道着の導入に反対している人たちは「柔道着は白にすべき」という考えを持っています。
それには主に3つの意見があるからです。
- 柔道の伝統を重んじるべき
- 選手の負担を軽減するため
- アクシデントの際の対応
柔道の伝統を重んじるべき
日本をはじめとして、ドイツ、アメリカ、オセアニア、アフリカなどの国々はカラー柔道着の導入に対して複雑な感情があるようです。
表立って反対の意思を表明することは有りませんが、実際は白の柔道着の伝統を重んじるべきだと感じています。
反対派の理由としては、「柔道着=白色」という伝統を重要視したいという考えがあるようです。
選手の負担を軽減するため
カラー柔道着の反対派の意見としては、選手の負担が大きくなることについての意見もあります。
大会に出る場合、選手は柔道着を2着用意します。今までは白い柔道着を2着用意すればよかったのに、今では白2着、青2着の計4着用意することになりました。
- 移動の際の負担
- 経済的負担
一般的な大会の場合、柔道着は選手が用意します。今まで2着で良かった柔道着を4着準備して、会場に持ち運ばなければいけません。
大きな国際大会等以外では自分で運びます。柔道着は生地が厚く丈夫なため、折りたたんでもかなり厚みがあります。1人で4着の柔道着を持ち運ぶのは非常に大変です。
持ち運ぶだけでもトレーニングをしている様な感じです。
この4着分は自分で買い揃えるため、経済的な負担も大きくなります。選手からすればデメリットも多いわけです。
アクシデントの際の対応
カラー柔道着の場合、アクシデントの際の対応が遅れる可能性があります。
試合中に出血をした場合、白の柔道着では血の跡がすぐに発見でき対応できます。
青色の柔道着だと血がついても分かりにくく緊急時の対応が遅れる可能性があると反対派は主張しています。
例えば、立ち技で流血してそのまま寝技に移行した場合など流血している箇所が審判から見えなくても血の跡を確認できればすぐに対応ができるのは白の柔道着です。
賛成派(カラー派)の意見
カラー柔道着の導入に賛成派が多いのは、ドイツ以外のヨーロッパの国々や日本以外のアジアの国々です。
一番大きな理由は冒頭でも書いた観客や審判が選手の区別ができて見やすくなるということです。
それに柔道の人気対策としてもカラフルで派手な競技にしてエンターテイメント化をススメていかないと、柔道だけ取り残されると不人気競技になってしまう可能性があるからです。
柔道は日本の伝統文化だから変わる必要はないという意見の人もいます。
ただ、歴史と伝統を重んじる国技である相撲も近年はまわしがカラフルになっています。
一昔前ならまわしの色は、黒、紺、青系統だけでした。今は、金、銀、オレンジ、ピンクなどいろいろな色のまわしがあります。
派手な色のまわしをつけた力士は人気があることも事実です。
各競技のエンタメ化
今まで割と地味だった競技も最近はどんどんエンタメ化しています。
競技の人気を上げるためです。競技人口が増えると競技のレベルが上がります。レベルが上がれば人気が出るという好循環が生まれるからです。
地味だった卓球やフェンシングもユニフォームや道具をカラフルにして人気を高めています。
卓球
卓球台の色が従来の深緑色から明るい青色に変更されました。1992年バルセロナオリンピックで導入され、その後世界中に広まっていきました。
ユニフォームもカラフルになっています。東京オリンピック後にはラケットのラバーの色が自由化され、さらにカラフルになります。
フェンシング
フェンシングはエンターテインメント性を高めています。剣先の軌道をCGで可視化する「フェンシング・ビジュアライズド」という最新技術で複雑な攻防を表示しています。
会場の大型モニターに選手の心拍数を表示し緊張感を高めています。格闘ゲームをモデルにしている様な印象があります。オシャレな人気競技に変化しています。
柔道のエンタメ化には賛成
柔道も他の競技のようにもっと派手な演出をしても良いのではなかと思っています。
入場する時には、プロレスやK1のようなアナウンスや派手なライト演出があると選手のテンションも上がるでしょう。
勝敗が付いた瞬間の演出があれば会場が盛り上がると思います。
多くの人が興味を持ち柔道の競技人口が増えて、誰もが名前を知っている国民的なスーパースターを生み出して欲しいと思います。